※こちらの小説はR18となっております。
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 なお、18歳以上の方も、本文中に暴力・流血・性表現がございますので
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《5》









 ガレーラカンパニーは広い会社だ。

 住み込みの寮もあるらしいがその棟は麦わら海賊団が寝泊まりしている建物からは遠く、人の声も聞こえない。

 いいや、今日はみなもう寝静まっているだろう。

 あれだけの大騒ぎのあとなのだ。

 皆が寝ている部屋から隣の建物、繁忙期の社員達の仮宿らしい部屋に、サンジはゾロを引っ張ってきた。

 こっちは忙しく立ち働いていたというのに正体もなく眠りこけていたので脚を持って引きずってやったら、外に出て十メートくらいのところで石にぶつかって目が覚めたようだった。

 ぶうぶう文句を言うのを丸無視し、人気のない部屋へ連れ込む。

「なんだってんだ……」

「起きろ。いいから起きろ」

 でかい図体をソファに放り出し、ついでにぴしゃっと頭をはり倒してやるとぎろりと睨まれた。

 この男の眼は虎に似ていると思う。闇の中で見ると、時折虹彩が金に光る。

「ねむてぇんだよ」

「寝てたじゃねぇか。こちとら後かたづけで全然休んでねえんだぞ、いいから起きやがれ!」

 怒鳴りつけると大あくびを一つして、がしがしと頭を掻いた。

 どうやらようやくしゃきっとしてきたようだ。

「……どこだここ」

「隣の建物。起きたな?」

「テメェが起こしたんだろ」

「じゃ、これは夢じゃねぇんだな」

「はぁ?」

 ゾロに言っても信じないだろうし、サンジも我ながら信じられない。

 しかし、悪魔は現れて、そして消えてしまった。

「………さすが偉大なる航路《グランドライン》、てことでいいのか…」

「なにいってやがる」

 寝起きはいい男だが、無理矢理起こすと機嫌が悪いのもいつものことだ。喉の奥でそれこそ虎のように唸りながらゾロはじろりとサンジを睨め上げた。

「…さっきまで悪魔が……あ、いや、いい、なんでねぇ」

「あくま?」

「なんでもねぇって」

「……ふざけんな」

 毒づいたゾロが不意に手を伸ばしてサンジの肘のあたりをとった。

 お、と思う間もなく引っ張り倒され、ソファの上に組み敷かれる。

「……眠いじゃなかったのかよ」

「起こしたのはテメェだろ」

「………ま、もっともだ」

 遠慮もなくゾロの掌がシャツの下に滑り込んで削げた腹を乱暴にまさぐる。体温の高い手が薄い皮膚とその下の神経に直接触れるようで、サンジは眼をつぶった。

 腹から浸みた温度がその奥で熱に変わる。

 まあ、これもちょうどいいかもな、と思う。ウォーターセブンについてからこっち、失踪だ大波だ追跡だ奪還だと、満足に触れあうような時間もなかった。

 若い男子の常としてそこそこ溜まっているし、そして、あのぎりぎりの場所から生きて返ってこられたのだという実感もほしい。

 そして。

「………なんなのかな、ありゃ」

「ああ?」

「いや…」

 あれは、悪魔だ。

 人は肌でそれを感じることが出来る。

 炎の悪魔だと彼は自分を名乗ったが、それはきっとサンジが調理に使う炎、人の世のものを灰燼に帰する炎のことだけを指すのではなく、もっと根元的で形の定まらない力をも司っているのだろう。

 いいや、あるいは彼自体がそういうものなのだ。

 その証拠にサンジは肌の奥、脳の奥、心の奥にある衝動の身悶えを感じている。

 それが憎悪や怒りというわかりやすい形のものであったなら激情に流されてしまうのもたやすいだろう。

 だからこそ彼らは悪魔と呼ばれるのかもしれない。

 ただそこにいるだけで人を壊す。

「よっしゃ。やろうぜ、ゾロ」

「なんだ。急に乗り気だな」

「そういう気分なんだよ」

 腕を上げて太い首に絡める。

 引き寄せて口づけて、たっぷりと舌を絡めるとびきり濃厚なキスをした。厚い舌に舌を這わせ、少しだけ尖った犬歯の形を辿るようになぞり、角度を変えて貪るように口を合わせる。

 飲み込みきれなかった唾液が口の端から頬を伝い落ちた。

 喉の奥でゾロが唸って、サンジの顎に噛みつく。

 ついで喉仏に、下に頸動脈の通る薄い皮膚に、鎖骨のくぼみをなぞる。シャツのボタンははずされてはだけられていた。

「……ッ、あ、ぁ……ッ」

「……エロい顔してんぞ。コック」

「うるせ…ッ」

 ぐい、とまだ着衣のままの下肢が押しつけられた。

 覚えのある堅さがサンジの中心を同じように刺激して、じわりとその場所が芯を持ち始めるのがわかる。

 ぐいぐいと動物のような性急さでこすりつけられて、つられるように自分の熱も上がる。そのせわしさから逃れようと慌ててサンジは身体をひねった。

「…おいっ」

「なんだ」

「ぬ、脱げ…つーか脱がせろっ」

「…ふぅん」

 慌てようをどう思ったのか、その大きな舌でゾロはべろりとサンジの耳を舐め上げた。

「ひゃ…ッ」

 そのままぐちゅぐちゅと音を立てて耳を噛まれ、舐めしゃぶられて、ざざっと首筋から腰にまで走り抜けた電流にサンジは思わず声を上げる。

「ん、は…ッ、や、やめ、やめろ…ッ、服…に」

「いいじゃねぇか」

「よくねぇッ」

 なにを言ってもゾロはどく気はないらしい。

 セックスの最中はサンジの要求を聞くことの方が少ないが、言ったことをすべてそのままにとられてしまうと今度はサンジが困る、というのも事実だと言うのが困ったところだ。「ど、どけ、って!」

「うるせぇよ」

 ひねった腰を片手で抱えられ、体中をぴったりとくっつけるようにしてのし掛かってくるから、手で押しのけることも出来ない。

 熱い舌が耳の中までざらりと舐めてその気持ち悪さと紙一重のところにある快楽にサンジは震えた。

 下着に擦れて痛いほどになったペニスを、それ以上に堅いゾロが嬲っていく。

「あ、あ、あ…ッ」

「いけよ」

「……ッ」

「いけ」

 下肢の刺激よりもゾロの声の方が決定打だったかもしれない。欲に濡れた音が耳の奥の奥まで痺れさせるように滑り込んで、サンジは声もなくのけぞった。

 ゾロの体重をすべて受け止めた身体が、びくりとしなる。

 二度、三度と痙攣するように震えて、粘ついた暖かいものが下着とスラックスをしたたかに濡らした。

「………ッ、はぁ…」

「……気色わりぃな」

「だっ、から言ったんだ、この、アホエロマリモ…ッ」

 どうしてこの男には先を予測すると言うことが出来ないのか。サンジとほぼ同時に埒をあけた男がそう呟くのに、いっそ殺してやろうかと脚を振り上げた。

 それをすかさずとられて、割られた脚の間にゾロの身体が滑り込んでくる。

「まあ、洗やいいだろ」

「う、う、うーッ」

「気持ちよかっただろ?」

 喉の奥で唸るとにやりと笑った男がサンジのベルトを瞬く間にはずし、前立てをくつろげる。

「ちょ、自分で脱がせろッ」

 抗議をなどどこ吹く風といったようにゾロの指が下着に滑り込む。ぬめった感触にそこが自分の吐き出したもので濡れているのがわかって、サンジはかっと顔を赤くした。

「おいッ」

「ぐちょぐちょだな。溜まってたのか」

「い、いちいち口に出すんじゃねぇよっ!人のこと言えんのかテメェ!」

 拳をつくって思わずぽかりとそのマリモ頭を殴りつけた。

 自分を棚に上げるにもほどがある。

「いてぇな。手はつかわねえんじゃなかったのか」

「戦闘じゃねえだろ!」

「似たようなもんだが」

 ごそごそと無遠慮に下着に潜り込んだゾロの指が、ぬめった精液を絡めてその指でサンジの下生えをまさぐる。

「ふ…っ、あ、遊ぶなッ」

「テメェ、ここも金色なんだよな……」

 だからどうした、と色気のない罵声を紡ぐ唇をふさがれ、スラックスと下着はむしるように剥がされた。

「……ハァッ、あ、んぅ、んむ…ッ」

「……乗り気じゃねぇか、えらく」

「ん、んぅ…ッ」

 口に突っ込まれたゾロの太い指をしゃぶって、唾液を絡める。これからこの指がまさぐる場所を思うと、自然と身体が熱くなって困る。

 セックスの数は数えきれない。

 いつの間にゾロに馴染んだかもわからない。

 身体を貪るようになったきっかけだけはわかる、ゾロが狭い船の上で鍛錬だけでは発散できない熱をもてあまし、サンジがそれに気付いてしまったからだ。

 やってもいいかな、と思った。

 それがこんなに難しいことだとは思いもしなかった。 

「……ンンッ」

 三本目の指が突っ込まれて、ゾロのペニスをしゃぶっているわけでもないのに吐きそうだと思った。

 手加減、というものをこの男はいつまで経っても覚えない。

 けれどその呼吸さえままならない苦痛の中に底知れない快楽が眠っている。

「……ッ、んぅ、ふぁ…ッ」

「こっちも尖ってんな」

「ぅあ…ッ」

「気持ちいいのかよ、コック?」

 興奮と快楽に尖っている乳首をつままれ、捏ねて押しつぶされる。ざらざらとしたゾロの指先の刺激は強すぎて、苦しさに目尻に涙が浮いた。

 その涙をゾロが舐めとる。 

 嬉しそうなのは、気のせいではないだろう。

「泣いてんのか」

「……ンンッ」

「苦しいのか?それとも、いいのかよ、コック」

 口から指が引き抜かれて、大きく息をついた。

 そしてその呼吸を見計らったかのように脚を抱え上げられ、その狭間にサンジの唾液でぐしょぐしょになった手が滑り込む。

「アア…ッ!」

 一回出したというのにもう勃ち切っている雄の裏側を指先で辿り、その下の袋を捏ねるように嬲って、女なら受け入れる場所のある狭間をゾロの太い指がなでていく。

 金色の眼はサンジの顔をのぞき込んで、その表情を一瞬たりともみのがすまいとしている。

 なんて強欲な男だろう。

 時折、サンジはそう思う。

 この欲がなければゾロが彼の世界の果てを目指そうとすることなどできはしないのだろうけれど。

「……ッ」

 ぐちゅ、と狭い肉の中にゾロの指が滑り込んで、サンジは一瞬息を詰めた。

 ずるずると入ってきた指は濡れているので痛みはないが、たまらない違和感は何度身体を重ねても変わらない。

「んく…ッ、ん、ん…」

「狭ぇな」

「ヒァ…ッ」

 ぐるりと中を広げるように指でかき回されて、目の前で火花が弾けた。

「ア、ア、ア…ッ」

「あたったか」

 ゾロがにやりと笑う。

 自分の身体で、声で、指先一つで反応するサンジをゾロは楽しんでいる。

「こ、このエロマリモ…ッ」

「エロさじゃ大してかわんねぇと思うがな」

 余裕ぶってみせるゾロのこめかみにも玉の汗が浮いている。肩にしがみついていた指をサンジは滑るようにおろして、脇腹を掌でなでた。

「…ッ」

 ゾロが息を詰めて、その股間の雄がぶるりと揺れる。

「へ、へ…ッテメェだって、いっぱいいっぱいなくせに」

「この…ッ」

 二本目、三本目の指が潜り込んでサンジの身体の奥を拓いて、その度に足先がシーツを蹴ってくしゃくしゃに乱す。

 ゾロの短い髪を意味もなく掻き回してどうにかこもる熱を逃がそうと喘いだ。ちくちくと髪がささる指先までびりびり痺れて、このままでは本当にどうにかなってしまいそうだ。

「な、なぁっ…ッ」

「なんだ、よ」

「なぁ、なぁ、ゾロぉ…ッ」

 そう呼ぶとゾロはにやりと笑う。

 快楽に溺れると舌が縺れるのはサンジの癖らしいが、そんなことは自分ではしったこっちゃない。

 ただゾロはその声を出させるのが心底好きらしい。

「なぁ、なぁ……ッ」

「この、エロコック」

 お返しのように罵ってゾロがサンジの脚を両肩に抱え上げる。

 ああ、もう少し。

 もうちょっと。

 自分では決して辿り着けない溺れるような快楽の海まで。

 みっともないほど開いた脚の間に猛りきったゾロのペニスが押し当てられる。

 狭い肉の壁が期待にぞろりと蠢いたのが自分でわかって、男にはあるまじきそのはしたなさにたまらなくなって眉をひそめる。

「入れるぞ」

「……ッ」

 あ、あ、あ。

 声にもならない。

 ゾロの、ゾロのものがオレの中に入ってくる。

 堅くて太い場所が柔らかくなっている狭間をぎちぎちとこじ開けて、サンジは悲鳴を呼吸に変えて零す。

 苦痛と快楽の境界線の一瞬。

 ずぶ、と一番太い場所が一番狭い場所を過ぎるとそれよりももっと腹の奥が熱くなる。

「も、もっとッ」

 ようやく、声が出た。悲鳴のようでみっともない。

「も、ちょっと…ゆ、ゆっくり…ッ」

「っ、うそ、つけ…動いてんぞ、中」

「ア、アゥ…ッひ、あ、アァ…ッ」

 遠慮もなくゾロのものがぎちぎちと指の届かない奥を押し広げて、サンジはその熱をどうしようもなく受け止めた。

 熱い。

「…ぁ、あ…ッ」

「くっそ……狭ぇな、テメェ」

「も、文句言うな…っ」

「文句じゃねぇよ……具合がいいっていってんだ…ッ」

 最後の最後まで収まりきったと思う間もなく、ゾロが乱暴に雄を引きずり出す。

「ウァ…ッ!あ、あ、ゾロ…ッ」

「く、う…ッ」

 汗と精液のたてる、耳障りな音がした。

 耳障りで、けれどたまらなく情動を煽る音だ。ゾロの喘ぎも自分の喘ぎも一緒くたになって、耳からサンジを犯す。

 腰をくねらせてゾロの乱暴な動きに合わせて、けれど時折予想もつかない深みにたたき込まれて悲鳴を上げる。

 爪を立てて、脚で蹴って、苦しいキスの間に噛みついたような気もする。

「ヒァ…ッ!あ、あ、ゾロ…ッ」

 ひときわ深くにゾロが潜り込んだ。

 ぐわりと腹の奥で火花が弾けたような熱さに身悶えして、サンジは思いきりのけぞる。熱が、ゾロのものか自分のものかさえわからなくなった。

 深い谷に叩き込まれ、また空の近くまではじき飛ばされたような衝撃と混乱。

 きらきらと金の色が目の前に散って、美しいと思ったけれどあとでよく考えてみればあれは自分の髪の色だった。笑ってしまう。

「……はぁ…ぁ、あ……」

「……くっ……」

 ようやく自分を取り戻すと、肩の上でゾロが荒い呼吸を繰り返していた。サンジも同じで、解放のあとのだるい虚脱感が腰をおおっている。

「……死ぬかと思った」

「そりゃ……こっちの台詞、だ、クソッタレ……」

 あっという間に呼吸を取り戻すと、ゾロはサンジの腕に絡まったままだったシャツを脱がせた。

 まだやんの、と聞くとなにを当たり前なことを言っているのかという顔をされた。

 こっちの都合も聞きやがれ、クソ。

 

 











 

 がんがん揺さぶられるのに疲れたので二回目はサンジがゾロにまたがった。

 この姿勢はゾロの表情がよく見える。

 セックスの間中、観察するようにサンジを見ているゾロの気持ちが少しだけ分かるような気がする。

 そういえば自分だって女の子とするときはその顔をよく見ていた。快楽にゆがめられると、それだけで何かを成し遂げたような誇らしい気持ちになったものだ。

 もっとも今は上になっても自分が突っ込まれる方だが。

「……いい眺めだな」

 心を読んだようにそう言われて、サンジは顔をしかめる。

「なにが」

「テメェだ。エロいな、やりたくて仕方ねぇって顔してる」

「………」

「足らねぇのか」

「………足りねえのはテメェだろ」

「お互い様だ」

 はは、と珍しいような顔でゾロが笑い、さっきまでサンジの口と尻に無体なことをしていたとは到底思えないような優しさで腕を撫でる。

 その動きにさえぞわりと感じた。

「……動けよ」

「言われなくったって」

「動けよ、ほら。いいように」

 クソ、と毒づいてサンジは尻を揺らすように回した。

 ゾロがたっぷりだしたものでぐちゃぐちゃになった穴はまだ完全でなかった雄をたやすく飲み込んでいる。

 きゅう、と力を込めて締めるとゾロが呻いた。

「……テメェ」

「うっせ。気持ちいいくせに」

 ずるりと引き出して、飲み込んで。

 じれったい動きから徐々に深く、大きく。

 育ったゾロの雄に腹の内側を擦られて、サンジのペニスも勃ち上がってくる。

 無遠慮なゾロの手がそれを掴んで、サンジは思わずうひゃっと色気のない声を上げた。

「なんて声だ」

「う、う、うるせ…ッ、おい、集中できねぇからはなせっ」

「ケツ振るのに集中もクソもねぇだろ……」

 ぬるぬると自分のだしたものでぬめるペニスを扱き上げられて、たまらずサンジはゾロにしがみついた。

「あ、あ、…このアホ剣士…ッ」

「テメェの文句はエロいんだ」

 こういうときだけな、と付け加えて、ほとんどサンジを包み込んでしまうくらい大きなゾロの掌が乱暴にサンジをまさぐる。

 くちゅくちゅと先端をいじられるとたまらなくなってサンジは腰を揺らした。

「テメェ、いじると締まるぜ」

「ァ、アア、ん…ッ」

「気持ちいいんだろ、なぁ?」

「あ、あほ、アホ…ッ」

「言ったろ。テメェの文句は、ヤッてる時はエロいんだ…ッ」

 く、とゾロが息を詰まらせたので、仕返しとばかりにサンジはゾロの見込んだ奥をぎゅっとしめた。

 ううっと唸ってがばっと半身を起こしたゾロがサンジの背を壊れるかと思うほどに抱いて、もう片方の手で尻を割り広げる。

 堅い腹筋に擦られたペニスもゾロを飲み込んだままの穴も、たまらないほど疼いてサンジは喘いだ。

「ゾロ、……ッ、ま、待って、待って…ッ」

「待つか…ッ」

 掌が包むように尻を掴んで、軽々と持ち上げられてしまう。

 あんな鉄串を鍛錬に使っている男にサンジを支えることなど、仔猫一匹を抱くのとさして変わらないに違いない。

「んぁ、あ、ふぁ…ッ」

「くっそ…ッ」

 持ち上げられて、落とされて、訳が分からないくらいぐちゃぐちゃになる。耳元で呻いたゾロが獣のように肩に噛みついて、その痛みにさえサンジは震えた。

「あ、いや、いや…だ、ゾロぉっ」

「うそ、つけ…ッ」

「い、いや…ッ」

 快楽と苦痛は紙一重だ。

 眼も眩むような高みに昇り、また叩き落とされる。

 死かと思うような真っ白な一瞬に、サンジは、彼と自分の中にある炎の揺らめきを見たと思った。

 

 
























 

 死ぬ、やめろ、もういい、許して。

 仕舞いにはそう言ってまで懇願したというのにゾロの欲は収まる様子を見せず、結局明け方までサンジは貪られた。

 嗄れた喉で獣め、とサンジは呻く。

 満たされ切った獣はサンジの隣で寝息を立てている。

 サンジは眠ることも出来ずにカーテンの向こうに明け初める曙光を見ていた。

 下肢の感覚はない。

 時折、こういうことがある。

 乱暴ではなく、一方的でもないが、それでもサンジの言葉を何一つ聞かずゾロが自分の欲を満たそうとすること。

 たぶんこの男は、ずっと餓えていたのだ。

 カーテンの色が橙に染まる。

 少しは寝なければと思ってサンジは眼を閉じたけれど、その瞼の裏には赤い炎が閃いて睡魔はその色におびえるようになかなかやってこなかった。 

 

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