※こちらの小説はR18となっております。
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 以上を踏まえた上で、先にお進みくださいませ。
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◆炎の悪魔の物語◆




















◇◇◇ 序章 ◇◇◇

 

やあ、こんにちは。人間諸君。

 いいや、あるいはお久しぶり。あるいはまた会ったね、私

のかわいい砂糖《シュガー》ちゃん……と言いたいところだがやめておこう。

 私の姿が決して留まらないように、君たち人間の味は実に多彩だからね。

 とびきり甘い事もあれば苦くて喰えたものではないときもある、あるいは酸っぱく、ほろほろと苦く、ぴりりと辛味が効いて。……まれに、無味、なんてこともあるのだけれどもね。ま、ごくまれに、だ。

 んん?妙に私が饒舌だって?

 仕方ないじゃないか、私にだって爆ぜるように話したいときと言うものがあるのさ。

 沈黙して炭と帰すだけが能ではないんだよ?

 んん、どうやら君は聞いてくれるようだ。

 私が怖ろしくはないのかね?おお、そうとも、私を怖れるなど愚かな行為に過ぎないとも!よくわかっているじゃないか、私を遠ざけるくらいなら君たちを高みから見下ろしているカミサマとやらを忘れる方がずっといい。

 ん?そういうわけにもいかないのかな?

 曖昧だね、その曖昧さこそが君たちの種族の特徴だ!まあいい、私はそのおおらかな曖昧さを愛しているのだよ。

 だからこそ、天から降ってきたのだからね。

 さあ、夜は長い。

 傾けてくれる君の耳のために話そうじゃないか。

 しかしね、残念なことに、これからのお話は君に楽しいかどうかはわからないのだよ。

 もちろん私はサービス精神が旺盛だからね、いつもは君たちが楽しめるような話を用意することにしている。一瞬たりとも退屈させはしないとも。

 ところがだ、今日の話はね、私が聞きたいからこそ話している。

 たまには饒舌に、というのはそういうことさ。

 私が話したい話など滅多にはないが、それが君を楽しませるものなのかどうかはわからない。

 いい?それでもいいのかね?

 ふぅん、君も人間としてはなかなか好もしい。名を覚えておこう。

 それでは、聞いてくれるかね。

 これは私が三万五千六百七十三人目に愛した、とびきり美味しく、とびきり綺麗な、一人の人間の物語だ。

 

 

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